リフォームの上手い値切り方下手な値切り方

リフォームの見積り

リフォーム営業をしていると「安くしてあげたい」と思うお客様もいれば、「高く設定しておこう」と考えるお客様がいてます。

会社で規定の利益率が決まっているので大幅な金額を割引や増額する事は出来ませんが、許されている範囲内では考える事があります。

ではどんなお客様に「安くしてあげたい」「高く設定しておこう」と考えるのか?

僕を含めリフォーム営業マンも人間ですので「好き嫌い」「合う合わない」は当然あります。仕事ですのでそのような感情を持ち込む事はしませんが、結果的に持ち込んでしまっています。

正確にはマイナスな感情を持ち込む事は避けていますがプラスな感情は制御していません。

プラスな感情は出来るだけお客様に出していくようにしています。

今回は上手い値切り下手な値切りがテーマですが、そもそも最初から割り増しの見積りでは意味がありませんので、まずは「見積りを高く設定される事が多いお客様」についてから始めたいと思います。

リフォームで見積りを高く設定するお客様

リフォームで見積りを高く設定するお客様は「細かいお客様」になります。

細かいお客様は施工中に内容が変わる事も多々あり細部にまで目を光らせます。

いつもの過程や仕上がりであれば満足されず、注文をつけてくる事があるのですがその作業をするには材料が必要で費用がかかる場合がほとんどです。

少しの手間だとお客様は思うかもしれませんが、実は考えている程簡単に施工が出来るとは限りません。

お客様の希望を叶えるには通常の見積り以上の予算が必要になる場合があります。と言いますが見積りの内容以外の追加を言われる時点で予算が必要になります。

経験から考えられる内容の予算をあらかじめ見積りに落とし込む事で利益を割る事を避けるので、見積り金額が高くなる傾向があります。

リフォーム工事は新築の工事とは違いますので「何処までの施工をするのか?」により仕上がりは当然変わります。

1つ例を出しますとクロス工事では通常クロスの貼替のみになります。

しかしリフォームでは壁そのものが歪んでいたり、ボードのジョイント部が出っ張っていたり壁その物に問題がある場合があります。

当然壁の施工はしていませんので見た目はクロスの貼替で綺麗に見えても、壁その物の歪みはクロスの貼替で綺麗になる訳がありません。

このような部分を指摘されるお客様もいてますので、細かいお客様には最初から壁をやり替える見積りを作るようにします。

工事中の養生も必要以上に求められる時があります。養生材にも費用はかかりますので養生費もいつも以上に見込んでおかないといけません。

そして工事の規模に関わらず「ハウスクリーニング費用」を盛り込んでおかないと利益を割る可能性が高くなります。

工事で汚れたと言われると掃除をしないといけないですし、一般清掃では納得のいかないお客様も多いです。

そして人間がやる事なのでどれだけ完璧に養生をしていても施工中に大小問わず傷が入る可能性もあります。

傷をつけてしまう事が一番厄介なのですが、新しく入替えた物であれば傷が入っていた時点で問題は施工側にありますが、触っていない部分の傷は元々あった傷なのか?工事でついた傷なのかがわかりません。

どちらにせよリペアで対応する事になり費用が必要になります。

このような事に対応しようとするとどうしても見積り金額は高くなります。

見積りに含み打合せで減らす

上記のような内容を見積りに最初は含み1つ1つ説明をし納得頂ける項目は外していく事になります。

しかしやはり細かいお客様はその場では納得していても、実際に工事が始まると細部に目を光らせる事が多いのでやはり費用は多めに見ておかないといけなくなります。

経験上細かいお客様で予算が余る事は基本的にありません。

仕上がりを細部まで求めるのであれば当たり前ですが費用は必要になります。

細かいお客様の場合は会社の規定の利益率の最大で見積りを作る事になります。

金額と内容に納得を頂ければ契約となりますし、納得いかなければ契約は出来ませんので商談時にお客様に判断して頂きます。

いいリフォームをしたい気持ちの強いお客様は内容が増えても了解してくれる事が多いです。「細かい事を求めるから費用がかかって当たり前」との考えを持っています。

しかし安く質の高い工事を求めるお客様は見積りに納得されない事が多いです。

どちらにせよ可能性全てを織り込んだ見積りから商談を始めないとトラブルの原因になる事が多いです。

見積りを飛ばすお客様もいる

リフォーム業界全体で通じる言葉なのかどうかはわかりませんが「見積りを飛ばす」事もあります。

見積りを飛ばすとは?

現場調査の段階で怪しい雰囲気を感じたお客様がいた場合、施工中施工後のトラブルを避ける為、あらかじめ高めの見積りを作り契約にならないようにする事を見積りを飛ばすと言います。

僕は基本的に見積りを飛ばす事はしませんが、相見積の内容を見ていても明らかに契約を取りに来ていない営業マンもいてます。

あってはならない事なのかもしれませんがお客様を選ぶ営業マンがいてます。

リフォーム業界はクレーム産業です。

日々クレームの入る業種になります。今までの経験から「契約してはいけないお客様」を営業マンは肌で感じるのです。

もちろん「営業マンの対応力が低いからクレームになるんだ」と言われればそれまでですが、明らかに契約してはいけないお客様は存在します。

全ての業者に飛ばしの見積りを作られると結果どの見積りも高くなります。

値引きの源泉

ここからは上手い値切り方に話しは移行していきます。

その前に値引きの源泉が何処にあるか?を知る事から始めましょう。

リフォーム工事の値引きの源泉は大きく分けると4つに分類されます。

  • 職人のお給料
  • 材料費
  • 無駄を省く
  • 会社の利益

以上4つのパターンに分類されます。そして何処を引くのかは営業マンの匙加減1つになります。

リフォーム値引きの源泉!値引きは何処の予算から引かれるの?

職人のお給料

職人に支払うお金を減らし割引に当てる事になります。会社によっては腕によって支払う金額を変えているリフォーム会社もあり、予算が足りなければ腕のいい職人を段取りする事が出来なくなります。腕の質を落とす事や腕がいい職人であってもやる気を無くさせる事になります。

材料費

材料費も値引きで削られる事の多い部分になります。材木関係は質もそうですが量も削られる場合があります。根太を300ピッチで組む予定の見積りが450ピッチで組むなど営業により様々ですが見えない場所から削る場合が多いです。見える部分だとお客様に突っ込まれやすいので見えない部分やお客様がわからない部分で材料を減らす事があります。

無駄を省く

見積りのを作る人の中には工事日程にゆとりを持って工程を立てる人がいてます。ゆとりを持って作っていないにしろ、何処までの契約になるかわからないので複合工事であっても1つ1つの内容を単発工事として見積りを作る事になります。全ての内容が契約になった時に工程の中で日程を調整して値引きが可能になります。

リフォームの見積りは工程を知る事で値引きできる

会社の利益

見積りの段階で会社規定の利益率になるように見積りを作成します。そして規定の利益率の中で商談をしていくのですが、競合他社との問題もりますので既定の利益率以下で契約する事もあります。

値引きの源泉は以上の内容になります。

営業マンの采配にもなりますが職人のお給料や材料費に手を出さないといけない値引きは考え物ですので、過度な値引きにはお気をつけ下さい。

  1. 同時施工値引き
  2. 会社の利益
  3. 材料費
  4. 職人のお給料

僕の場合はこの順番で考えますが、ここも営業マンによって様々です。

会社の中での立場ばかりを考えてる営業マンの場合は会社の利益は最後のなり、先に材料費や職人のお給料に手を付けるので注意が必要です。

しっかりと営業マンを見極めましょう。

営業マン次第でリフォームの仕上がりがかわる!

リフォームの見積り上手な値切り方

ここまでは初めから見積りを高めにするお客様の事を書きましたが、ここからは上手い値切りについてです。

こちらの事を理解してくれるお客様は「見積りを安くしよう」と思います。

シンプルにいいお客様です。

漠然としすぎてますが「いいお客様」の一言につきます。

「あなたで契約したいです。金額はこれが限界ですか?」

このように言われると何とかしたいと思う気持ちが出てきます。

工程と向き合い同時施工割引が出来ないか?真剣に向き合います。職人や会社に交渉します。

契約を前提に金額交渉をされる事は同じ値引きであっても営業マンにとって気持ちのいい事です。

相見積を取る事は悪い事ではありませんし相見積は取る方がいいです。

しかし他者の見積りの使い方を間違えると営業マンも人間です。

嫌な気持ちになってしまいます。

嫌な気持ちにさせてしまっては目的の値引きに繋がらない場合があります。

相見積の上手な使い方

リフォーム工事は高額になるので一社ではなく複数に見積り依頼をする事をお勧めします。

相見積を取る事により工事の相場観がわかるようになります。

リフォームを検討するとリフォームのチラシを参考に考えを進めて行く人が多いのですが

チラシに書いている金額で予算組をすると、工事が大きくなればなるほど大きなズレが出てくる事になります。

リフォームのチラシは嘘だらけ⁈広告のここは本当ここは嘘

相見積を取り見積りが出揃うとまずは金額に目が行く事でしょう。

そして金額が安いリフォーム会社と商談を進めるお客様が多いのですが、その進め方本当に正しいのでしょうか?

金額よりも大事な事は営業マンの資質であり経験であり求心力です。

相見積を取る時は「営業マン」を見極める事を忘れてはいけません。

現場調査の時と見積り提出で2度営業マンと会う事になります。出来れば最初の現場調査の段階で営業マンを見分けリフォーム会社を決めておく事でその後スムーズに話しが進むようになります。

金額以外の所で相性の良さそうな、信用できそうな、知識のありそうな営業マンを見極めておきましょう。

その営業マンを中心に商談を進めて行けばいいです。

リフォームの相見積で大事な事は見積り金額よりも営業マンの質になります。

営業マン次第でリフォームの仕上がりがかわる!

ハウスメーカー系、家電系、地域密着系とリフォーム会社のカテゴリはありますが、同じカテゴリのリフォーム会社であれば価格帯はさほど変わりません。

見積りの内容で「何処までの工事を見積りに含んでいるのか?」による違いは出てきますが、同じカテゴリであれば金額の差よりも営業マンの質で選ぶ方がいい工事が出来ます。

相見積では金額よりも営業マンを選ぶと考えた方がいいです。

相見積の下手な使い方

相見積の下手な使い方は間違いなく「金額の叩き合い」をする事です。

リフォーム会社AにBはもっと安いと持ち掛け、リフォーム会社BにはAはもっと安いと持ち掛け、金額を下げる事のみを目的に相見積を取る事です。

少しでも安くリフォームをしたい気持ちの理解できますが、金額の叩き合いをすると何処のリフォーム会社もまともに取り合わなくなります。

中には金額を落としても契約を取りたい営業マンもいてますが、優秀な営業マンは去っていく事になります。

優秀な営業マンは値引きではなく人間性やプラン等金額以外の部分を重視してもらい契約を取っていきます。

過度の金額交渉はリフォームの出来栄えにも大きく影響してきますし、値引き交渉に優秀な営業マンは乗ってこないので、相見積で金額の叩き合いをする事はお勧め出来ません。

せっかく時間をかけて相見積を取るのであれば損をしたくありませんよね?

過度な金額の叩き合いを目的に相見積をすると最終的に損をする事に繋がります。

相見積で営業マンを見分ける

相見積では営業マンを見分け、作成してくる見積りのプランの内容や細部の納まりを重視する方が結果的にいいリフォームが出来ます。

現場調査の段階で営業マンに目星をつけ、見積り提出の時点で問題点が無いかを確認し問題が無ければ、その営業マンと金額交渉をする

このような段階を踏む事で上手い値切りが可能になります。

上でも書いている通り「あなたでリフォームしたいです」と言われて気分が悪くなる営業マンはいません。

営業マンも人間ですので感情の生き物です。感情をくすぶってあげましょう。

営業マンに営業をするのは施主様

営業マンに営業をするときくと「んっ?どうゆう事?」となるかもしれません。

しかしあなたの自宅のリフォームを「いいリフォーム」にする為には営業マンに対する営業も必要になります。

間違いなく言える事は値引き交渉ばかりしていると優秀な営業マンは去っていきますし、そもそも金額勝負に応じてくれません。

優秀な営業マンでリフォームをしたいのであれば、あなたは優秀な営業マンの心を動かす必要があります。

まとめ

上手い値切り下手な値引きをまとめると

金額の叩き合いをせずにまずは営業マンを決める事です。

そして営業マンに「あなたでリフォームをしたいと伝え」その後に他者の見積りを引き合いに出し金額交渉をして下さい。

金額の叩き合いになると去っていく営業マンは多いです。

「金額を下げても契約を取りたい」営業マンしか残る事はありません。

そして金額を下げて契約をすると、何処かで金額を安くする必要が出てきます。

  • 他の現場で余った材木を使う
  • 安い職人を使う
  • 入れた方がいい(変えた方がいい)事でも手を入れない

このような事が起きてしまいます。

営業マン次第でリフォームの仕上がりがかわる!

そして見える部分だけで起こる訳ではなく見えない所で起こるので気付かない事が多いのです。

金額に見合ったそれなりの工事で「安かろう悪かろう」の結果になってしまいます。

優秀な営業マンはこのような事態になる事が見積り段階でわかっているので、トラブルが起こる可能性のある契約は避けて通ります。

過度な値引き交渉は工事の質に直結しますのでされない方が賢明です。

リフォームを成功させるには金額も大事な要素になります。しかし優秀な営業マンの力も必要になる事を覚えておいて下さい。

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