この記事はこれからリフォームをしようと考えている人に是非読んで欲しい記事になります。
チラシを見て安い!感じる大きな割引率ですが実はそこまで安くはありません。
と言うよりも大きな割引率だからと言ってリフォーム会社が無理をして出している割引率ではありません。まだ引き代のある金額であり割引率になります。
築年数が経つとどれだけ大事にしてきた家でも手入れが必要になってきます。
ここで選択肢に出てくるのパターンが
- 家を引っ越す
- 家を建て直す
- リフォームをする
- DIYで自分で治す
このような選択肢が出てきます。
ここでリフォームを選択すると次にリフォーム業者を選定する事になり、工事に対する見積りを受け取る事になります。
リフォームは人生の中で数回しかしない人が多い為、リフォームを経験した事の無い人がほとんどなので当たり前の事ですがリフォームの相場がわからない人がほとんどになります。
相見積りを取るなどして相場を調べる事は出来ますが、実際にリフォームの見積りを高く感じる事があるでしょう。
ここでは相場感ではなく実際の見積りの中身について解説していきたいと思います。
リフォーム会社がどのぐらいの利益率で見積りを作成し、実際の施工費はどのぐらいなのか?を知りたい人は読み進めて下さい。
リフォームの見積りは商品代・施工費・諸経費で作られます
リフォームの見積りの詳細は商品代、施工費、諸経費で作られる事になります。
商品代はそのままで、トイレの入替を検討するのであればトイレそのものになり、施工費はトイレを取り付ける費用になります。
すこしわかりにくいのが諸経費になります。
諸経費には商品の運送代金や廃材の処分費や事務作業費ガソリン代等、各会社により内容の異なる所になります。
諸経費が一番リフォームを考えている人には透明性の無い費用に見えるのではないでしょうか?
見積りには原価がありそこに利益を乗せます
リフォーム会社も営利企業でありボランティアで活動している訳ではありませんので、見積りの中には利益も含まれる事になります。
利益を求める事は悪い事ではありませんし、利益を上げている会社が存続しているからこそリフォームをしたい時にリフォーム会社がある事を忘れてはいけません。
ではこの利益はどのぐらいの利益が乗る事になるのでしょうか?
一般的なリフォーム会社は28%~32%ぐらいの利益を乗せる事になります。
勿論利益を乗せやすい内容には利益をもっと乗せ、乗せにくい物にはもっと減らす等の変化はありますが、全体の原価の28%~32%の利益を乗せた見積りがあなたの手元に届く事になります。
もちろん会社により規定の利益率があり、そこは会社により様々ですので全ての業者がこの利益率を乗せている訳ではありませんが、平均するとこの辺りの利益率に落ち着きます。
商品原価は掛率で決まります
各商品の原価は定価×掛率で決まる事になります。
掛率が低ければ低い程仕入れ金額が下がりお客様に安い金額で見積りを作る事が出来るようになります。
掛率は各リフォーム会社で決まっており、販売数や商社との交渉により決まる事になります。
店舗展開をしていて多くの数を出せているリフォーム会社は掛率を低く設定されている事が多いので、その分安い見積りを作る事が出来るようになります。
施工原価は会社の形で決まります
施工費の原価は自社施工なのか?下請け施工なのか?により変わります。
自社施工の場合職人のお給料が月給制の為低く抑える事が出来ます。下請け施工の場合は決まった金額を下請けに渡さないといけないので費用は高くなる傾向にあります。
施工費に関しては自社施工の方が下請け施工よりも安くなる事になります。
しかし注意しないといけないのが自社施工と言っている会社が下請け施工をしている場合もある事です。
一部自社施工をしているので自社施工と言ってる会社もあれば、全くしていなけど自社施工と言っている会社もあります。
「自社施工」と言った方がお客様は「安い」印象を持ちますので、リフォーム会社は「自社施工」と言いたいのでしょう。
本当に自社施工なのかどうなのかはわかりにくい事なので判断をする事が難しい事になるでしょう。
自社施工の場合1日に数件回れるトイレ等の単発工事であれば5,000円程の設定でも対応できる会社もあるでしょう。
下請け施工の場合13,000~18,000の金額で見ているリフォーム会社が多いです。
下請けに渡す作業費に関しては、リフォーム系、工務店系、家電系、ハウスメーカー系どの類のリフォーム会社かによって金額が変わります。
ハウスメーカー系・家電系・専門系リフォーム会社の選び方と特徴
諸経費は各会社独自の基準
諸経費はリフォーム会社の基準によって決められている事がほとんどです。どの工事に対して〇〇円と決めそれに沿い見積りを作成する事になります。
諸経費の中身を詳しく説明を求めても漠然と答える事が出来ても、明確な内訳と内訳をを言える営業マンは少ないのではないでしょうか?
その場で答える事が出来てもそれが本当にその内訳なのかを営業マン本人もわからない事もあるでしょう。
このような内容から諸経費はお客様にとって一番不透明に見える料金になります。
ただリフォーム工事をするには本当に諸経費が必要ですのでそこには理解が必要です。
諸経費は見積りに表記されている金額なのですが、一般のお客様には内訳が見えない最も不透明なお金が予備原価と言われる物になります。
謎の予備原価とは?
リフォームの見積りの中には「原価」「利益率」以外にも「予備原価」と言う意味不明な原価も含まれています。
予備の原価なので実際に使われる事はあるのかないのかハッキリとしない部分もあるのですが、リフォーム工事は解体してわかる事も多々ある為、予備原価として何かあった時に対応する費用と位置づけられています。
他の業種に予備原価の概念があるのかないのかはわかりませんが
リフォーム業界では原価の5%程を予備原価として見積りに含んで金額設定をしている会社が多くあります。
この予備原価もお客様からすると納得のいかないお金になるのではないでしょうか?
ただ予備原価は見積りで見えるお金ではなく計算式で織り込んでおり、お客様が見えている金額は予備原価を含んだ金額になります。
実際に見積りを作ってみましょう
ここで実際に見積りを作ってみましょう。
トイレの中で一番売れているであろうと思われるLIXILのアメージュZを過程に考えてみましょう。
リフォーム会社のチラシで55%OFF~60%OFFで掲載されている商品になります。
LIXILのトイレのカタログになります。アクアセラミックの一般地仕様で見てみましょう
- 便器¥52,800
- タンク¥52,700
- 計¥105,500
LIXILのアメージュZの掛率は店舗展開しているリフォーム会社であれば28%前後の掛率で仕入れる事が出来ます。
105500×28%=29540
実はLIXILのアメージュZは¥30,000以下で仕入れる事が出来ているのです。
見積りを作る計算式は原価×予備原価÷利益率になります。
原価は定価×掛率で算出する事ができ、予備原価は会社毎に規定がされています。そこに何%の利益を乗せたいのか?になります。
利益を30%乗せたいのであれば1-0.3=0.7になり、0.7で割れば金額が出てきます。
原価29540×予備原価1.05%÷利益率0.7=44310
次に割引率を算出します。
44310÷105500=0.42
1-0.42=0.58
58%割引になります。
LIXILのアメージュZ上でも書いている通りリフォーム会社で55%~60%の割引率で掲載されている商品ですが、30%の利益を乗せると丁度その中間の58%割引になる事になります。
広告品が特売品のように見えるかもしれませんが、リフォーム会社ではしっかりと30%の利益を乗せている事がわかります。
次に施工費になります。
基本的には施工費も同じ計算式で見積りを作成するのですが一部例外があります。
- 施工費込みの商品
- 広告で施工費を決めている商品
トイレは施工費を広告で表記しているリフォーム会社も多いのでトイレで計算していきましょう。
トイレの施工費は¥28,000前後に設定されている事が多いです。施工費は決まっていますが原価はリフォーム会社により変わってきます。
自社施工の場合は工事代の原価が安くなり、下請け施工では原価が高くなります。内装の有無のよってもトイレの入替施工費の金額が変わります。
お客様が負担する金額に違いは無くとも内部的に支払う金額がかわります。
仮に下請け施工でも高額になる¥18,000をベースに考えてみましょう。
原価18000×予備原価1.05÷0.7=27000になります。
利益率を30%で計算をしても¥27,000ですので広告に掲載されている¥28,000は30%以上の利益を確保している事になります。
自社施工や下請け施工でも金額が¥18,000以下の場合もっと利益率が高くなります。
リフォーム業界では30%の利益を確保している
ここまで読んで頂いた人であればリフォーム会社が30%の利益を確保している事が理解して頂けたと思います。
会社が利益を追い求める事は悪い事ではありませんし。利益を出している会社がある事で我々の生活が支えられている事も間違いありません。
今回想定した見積りはリフォーム業界の平均値であり、全ての業者がこの計算に当てはまる訳ではありません。
もっと安く仕入れている会社や、利益を落としている会社もあれば、もっと高く仕入れてる会社や、利益を取っている会社もあります。
このような計算式を知りリフォームの見積りを見ると面白く感じるのではないでしょうか?
利益率はリフォーム会社の規模によって変わる
リフォーム会社の利益率は会社の規模によって変動します。
わかりやすい所で言うと「ショールームの有無」があります。
ショールームがあると言う事は事務所だけのリフォーム会社よりは家賃や光熱費の経費がかかります。
ショールームに来店するお客様もいますのでその分人件費もかかります。
ショールームの中に展示している商品の原価もかかります。
このようにショールームがあるかないかにより固定経費が変わってきます。
固定経費がかかると言う事はその分利益を確保しないといけなくなります。
ショールームはお客様の安心感に繋がる
ショールームがあるリフォーム会社はお客様にとって安心感に繋がります。
これは大きなメリットになります。
しかしショールームを持つリフォーム会社は固定経費がかかってしまう事も同時に理解しておく必要があります。
その費用は1つ1つの見積りの中に確実に含まれる事になります。
昔からある工務店のほとんどにはショールームがありません。
しかし施工はしっかりとしているイメージがあると思います。
リフォームを行う際に施工会社にショールームが本当に必要なのか?
もリフォーム会社選びに含めると金額的に安くリフォームが出来る可能性が広がります。
現役リフォーム営業マンが選ぶお客様目線の頼れる一括見積サイトは何処?!
リフォーム会社選びには一括見積サイトの利用をお勧めします。
アメージュZ55%~60%の法則
こんな法則があるかはわかりません。今僕が勝手に名付けた法則になります。
ビックマック指数のような感じですね。本質は全く違いますが(笑)
この法則はどのようなものかといいますと
あなたがリフォームを会社を検討する際、アメージュZの割引率が55%~60%の会社であれば標準的なリフォーム会社であり大きな金額差は出てきません。
なぜアメージュZかと言いますと、上でも書いている通りトイレの中でも売れている商品だからです。売れている商品なので各会社が販売数を伸ばしている商品とも言えます。
リフォーム会社の中でも一番多く仕入れているのが「アメージュZ」と言う会社も多数あります。
販売数を伸ばしている商品で平均的な掛率を貰っていれば、30%の利益を乗せた健全経営の中で55%~60%の割引率になるのです。
見積りの見え方で商品代を下げて施工費を上げているリフォーム会社もあれば、その逆もありますが合計金額で見た時に大きくかけ離れる事はなく同じような金額になります。
割引率程安く感じないリフォームの商品代
このように見積りの中身を知ると広告では半額以下になっている商品でも十分な利益を乗せている事が伝わると思います。
このカラクリを知ると60%の割引と聞いても安く感じない人がいるのではないでしょうか?
感じなくなったあなた!その感覚正常です。
このような掛率で仕入れができる商品の定価なんてあってないような物です。
しかしこれはリフォーム会社が悪い訳でもなんでもなく、メーカー側の販売戦略になります。そもそもメーカーが悪いとも言えませんが、これがリフォームの見積りの実態になります。
あなたが見積り依頼をした担当営業が「ギリギリの金額設定ですのでこれ以上の割引は出来ません」と言っていても実は30%の利益を確保しているのです。
会社の規定の利益率ギリギリの見積りですので全くの嘘と言う訳ではありませんが、まだ割引の余地のある金額設定になっている事を覚えておきましょう。
全体でも30%の利益率を確保している
広告に記載されている商品でなくとも全体で30%の利益を確保しているリフォーム会社が大半です。
事務所やショールームを抱えて事務員を雇ったり固定経費を考えればこの辺りの利益率が標準的になるのでしょう。
これは単品の工事だけではなく複合の工事になっても同じ事が言えます。
会社内の規定の利益率が30%の設定になっているので工事の大小に問わず30%の利益率が乗った見積りになっています。
利益が無いと会社として存続しなくなり競争が無くなれば価格が上がる傾向に向かうので、30%の利益率は納得するしかありません。
システムキッチン・システムバスは利益率が悪い
実はシステムキッチン・システムバスは利益率の少ない商品になります。
リフォーム会社やメーカーにもよりますが利益率10%以下の設定にしている事もあります。
しかしシステムキッチン・システムバスは施工費の利益率が高く設定されている為、利益の水準を保つ事が出来ています。
このように商品により利益率の高い低いはあったとしても全体的な利益率が30%前後の見積りをリフォーム会社は作成します。
解体工事・配管配線の仕込みなおし・組付け作業と想像すると高額になってもおかしくなさそうな施工内容が並ぶので設定金額を高く設定できるのです。
値引き交渉
30%前後の利益率の見積りが作成されるのがリフォームだと言う事はご理解頂けたかと思います。
そのままの見積りで契約しリフォームするのもいのですが、予算の兼ね合いで少しでも安くした時もあると思います。
その場合は値引き交渉をしてみるのもいいかもしれません。
ただ値引き交渉も度が過ぎるとリフォームの質に繋がる事を理解していて下さい。
予算があってこそのリフォームですので予算がなければ何処かで削らないといけない場合もあります。担当営業の采配になってくるのですが、予算が無くともしっかりとした施工をする営業マンもいれば、何処かで調整する営業マンもいます。
相見積で値段勝負ばかりの営業マンは結局工事の仕上がりは悪いです。
過度な値引きはお勧めしませんが、営業マンの能力により値引き可能な場合もあります。
詳しくはリンク先で読んで頂きたいのですが、同時施工値引きが可能な状態であれば工事の質を落とさず値引き可能な場合があります。
この辺りの情報も仕入れ是非検討してみて下さい。
そして2022年10月31日までのリフォームであれば補助金を利用する事もできます。
子供がいなくてもリフォームであれば対象の補助金になりますので、リフォームを検討する時は補助金を利用するようにしましょう。
利益率30%の中には予備原価は含まれていません
上で予備原価と言う謎の原価がリフォームの見積りには含まれていると書きましたが、予備原価は利益率に含まれていません。
計算上仕入れ金額に予備原価をかけてそこに利益をのせています。
と言う事は仕入金額に30%を乗せただけの見積りの方が安くなります。
予備原価を5%と仮定するとリフォーム会社の言う28%の利益と予備原価のない仕入れに30%乗せた金額が同じぐらいになります。
少しわかりにくいかもしれませんがここで簡単な計算をしてみましょう。
仕入れが¥10,000と仮定し進めて行きます。
このようになります。予備原価って凄い仕組みですね。
予備原価とは「何かあった時の為に含んでいる費用」である為多くの場合予備原価を使う事はありません。利益率にも反映されない計算式の中に組み込まれている費用なので、そのままリフォーム会社の儲けになります。
裏を返せば何も無ければ使わない費用になります。
何も無ければ使わない費用であるので交渉次第で値引き可能お金ともいえるのです。
金額交渉をする時には頭の片隅に「予備原価」を置いて商談を進めて下さい。
コメント