リフォーム工事を考えている人は見積りを依頼する事になります。
そして多くの人はリフォームにかかる費用が高額でビックリすると思います。
これはリフォーム会社のチラシを日常生活の中で見る機会が多く無意識の中で安い先入観が入ってしまう事が原因の一因であります。
新聞広告を始め地域の広報誌などでもリフォーム会社の広告を見る機会が多い時代になっています。
築年数の長い物件に手を入れて住む風習が根付いてきてますのでリフォーム会社もここ数年で一気に増えています。
真剣にリフォームを考える時期になるとあなた自身でも広告を意識して見る事になるでしょう。
その時広告で見た金額と実際に出された見積りの金額の違いにビックリする事になるのです。
最初からリフォームの相場観を持っている人はいませんので見積りを取ると「高い」とビックリして当然の事なのです。
リフォーム広告は客寄せの為の物でしかない
誤解を恐れずに言うのであればリフォームの広告は安く提示して問い合わせを増やす事が目的に作られています。
問い合わせを受け訪問の機会を作り、見積りを作る事で契約に結び付ける事が目的です。
僕は長い間リフォームの仕事をしていますが「明らかにこの金額での工事は不可能」と思う金額設定の広告掲載商品は多々あります。
しかしまったくの「嘘」という訳でもありません。
トイレ、洗面台、レンジフード、ガスコンロ、給湯器などの水回りの単発工事は比較的チラシの金額通りになります。
家の造りや設置環境により追加工事が必要になる場合もありますが、基本的な商品代に間違いはありませんし素取り変えであれば施工費も間違いはありません。
チラシの写真と仕様が違う事も基本的には無く同じ商品になります。
ではどのような商品がチラシの金額と大きくかけ離れるか?を見ていきましょう。
システムキッチン・システムバス
水回りの工事の中でも大物なのがシステムキッチンとシステムバスになります。
この二つは広告でも注意が必要になります。
チラシの乗っている写真も「イメージ」であり実際の物とは異なります。
他の小物関係のように写真と金額が一致していれば問題無いのですが、システムキッチンとシステムバスの写真は「イメージ」であり、写真通りの仕様であれば記載されている金額とは大きくかけ離れる事になります。
システムキッチンとシステムバスは受注生産であり、プランを決めていく打合せが必要になります。
お客様の希望の組み合わせで仕様を作りそれに対しての定価であり割引率になります。
プランが細かく設定できるのでチラシの金額と違う事は仕方のない事かもしれませんが、写真のシステムキッチンやシステムバスが表記されている金額とは違うのは如何なものかと思います。
チラシの写真では上級仕様の写真ですが金額はそのシリーズの一番下級仕様の金額を前提にしています。
リフォーム業界全体でこのような広告を使っているので1社だけが正直な広告を作ると電話が鳴らなくなるので、何処のリフォーム会社もこのようなチラシを続けているのが現状です。
この辺りがリフォーム業界が「怪しい」と思われる要因の1つになっています。
サッシ関係、玄関ドア、テラス屋根
アルミ関係も実際の金額と大きくかけ離れる事になります。
内窓の設置を検討していたとしましょう。
チラシに記載されている金額は一番小さい窓を前提にしている商品になります。
専門的な話しになるのですが内窓設置をするには内窓を設置するスペースが必要となるのですが、既存の窓枠では設置スペースが足りず「ふかし枠」と呼ばれる部材と追加の施工費が見積りに計上される事があります。
追加工事はお客様により「不透明だ」「嘘だ」「騙された」と言われる一番の要因です。
しかし必要な工事は見積りに入れないと施工が出来ないので仕方のない事なのです。
その他のアルミ計の物も同じで一番小さなサイズの金額が表記されています。
玄関ドアも一番グレードの低い物が記載されている為、好みのデザインを取り付けようとすると金額が大幅に上がる事もあります。
パックになっている工事
水回り4点パック等のパックになっている工事も完全に金額が安く設定されています。
システムバス、システムキッチン両方が含まれるため実際の見積りとの差額は大きくなります。
リフォームのチラシの中でも一番違いが出るのが水回り4点のパック工事ではないでしょうか。
その他もパック工事は一番下のグレードの商品を前提に見積りされている金額が表記されていますので、実際の見積りとは大きく金額がかけ離れる事になります。
水回り4点パックや和室→洋室の工事をチラシの金額通りに工事を完工させる事の出来る営業マンは存在しないと考えてもいいぐらい無理のある金額設定になっています。
出来たとしても納得できるレベルには程遠い仕上がり、商品になってる事は間違いありません。
全面改装パックも同様です。
「坪〇万円」「平米〇万円」と記載されていますが実際の所はかなり無理な内容になっています。
見積りの金額とチラシの金額は違う
このようにリフォームのチラシの中には明らかに意図的に安く見えるように作り、お客様を引き寄せる記載がされているのです。
このようなチラシを多くのリフォーム業者が作り配布する事によりリフォーム会社に怪しさを感じるお客様が多いのです。
リフォーム業界ぐらいの市場規模になっている業界でここまで怪しさを持たれる業界は他に無いのではないでしょうか?
リフォーム会社に問い合わせの電話をしチラシの内容を問い合わせると
- お客様のお宅によって必要な工事は異なるので見ないとわかりません。
- 商品の仕様により金額は変わります。
- サイズにより金額が変わります。
このような事を言われます。
具体的な金額はわからない事を必ず言われます。
この返答には疑問はないかもしれません。正しい事であり当たり前の事だとも言えます。
しかしそもそものチラシの写真と金額が一致していないのです。
この部分に詐欺的な雰囲気を感じるお客様が多いのが現実です。
嘘だらけのリフォームチラシ・広告
ここまでの内容を読んでみて感じた事はリフォームのチラシって嘘だらけと感じられた事だと思います。
チラシに記載されている金額でリフォームが出来ないのであれば「嘘」だと感じて当然と言えば当然です。
僕自身も「この内容どうなの?」と感じる事は多々あります。
しかしリフォームの商材は仕様により大きく金額が変わるのは仕方のない事です。
例えばキッチン1つを見てみても「ガスコンロ」「レンジフード」「食洗器」「水栓」「面材のグレード」「引き出しの種類」「その他オプション品」
このような物を組み合わせて1つのプランが出来ますので、選定する各々の商品により金額が変わる事は当たり前なのです。
ただ何度も言いますが写真がイメージで写真の商品と金額が一致しないのは「嘘」だと言われても当り前の部分でもあります。
この辺りを踏まえた上でリフォームの見積りを検討する事がいいかと思います。
チラシ・広告は電話を鳴らし家に訪問する事が目的
このようにチラシで電話をかけて貰い家に訪問する事が目的でチラシを作成しています。
リフォーム会社は1本でも多くの電話を鳴らす為にチラシを作成します。
リフォーム業界のチラシが黒なのか?白なのか?は個人の受け取り方により変わる部分が大きいです。
個人的には白の中に黒が混ざっていると思っています。写真の商品と金額が違う物は黒になります。
明らかに「勘違い」を誘発させる内容である事が理由です。この「勘違い」はお客様により「騙された」と受け取る人もいてるのが現実です。
このような会社が多いリフォーム業界ですが、全くのブラックと言う訳ではないかもしれません。確かにグレーではありますが「ぼったくり」のような事はしないリフォーム会社は多くあります。
と言うよりもほとんどありません。
訪問販売の類では今でもぼったくりのような金額(通常金額の2倍以上)の業者もありますが、しっかりと事務所を構えて営業をしているリフォーム会社であればぼったくりはほとんどありません。
チラシに表記されている割引率で必要な工事のみを入れた見積りを作成するリフォーム会社が大半です。
このように見積りは適正だけど最初の手口が信用できないとか受け入れれない人はハウスメーカーのリフォームを検討する事をお勧めします。
ハウスメーカーのリフォームはこのようなチラシでの集客が主ではありません。しかし金額はこのようなチラシで集客しているリフォーム会社とは比べ物にならないぐらい高額になります。
自分に合ったリフォーム会社に見積りを依頼するのがいいですね。
施工費は実際に見ないとわからない
ある程度リフォーム経験があればヒアリングで見積りを作成する事も出来るようになりますが、誰が見るかわからない広告で正確な施工費を記載する事は出来ません。
広告に記載されている施工費は「どの家でも必ず必要な工事」しか記載する事が出来ません。
最低限の施工費を広告に載せていて各々の家に必要な施工内容は追加工事として見積りに計上しています。
最低限の施工を基本工事とし広告を作っておかないと、必要の無い施工費をお客様は負担しないといけない事になります。
安くリフォームするには割り切りも必要です
安い金額でリフォームをする為にはこのようなグレーなチラシも割り切って受け入れる必要があります。
納得いかない気持ちがある人もいるのはわかります。
しかしリフォーム業界がこのような状況ですので気にしていてはリフォームが出来ません。出来たとしても高額なリフォーム金額になります。
僕個人の体感ではチラシの内容に拘っている人も一部いてますが、多くのお客様はご理解の上見積りを依頼してくれています。
このようなチラシを受け入れたとして見積りで注意すべき点は
- 商品の割引率が合っている
- 施工費が合っている
この2点は提出された見積りの中であっているかの確認はするようにしましょう。
もちろんリフォームなので標準工事では施工が出来ない追加工事が必要な場面はあります。
追加工事が必要な場合はどのような工事が必要なのか?しっかりと確認するようにしましょう。
まとめ
ここまでの内容を一言でまとめると「リフォームチラシは嘘が多いが完全な嘘ではない」との内容になります。
明らかに「勘違い」を誘発させる表現がある事は間違いありません。
このようなチラシは今後も続いていく事になるでしょう。無くなる事はありません。
勘違いさせるチラシを作っているリフォーム業界で真面目にチラシを作っていれば生き残る事は出来ません。
「リフォーム業界全体がもっとクリーンになればいいのに」と常に思います。
このような事から割引率は同じなのか?追加工事に対してしっかりと納得のいく説明が出来ているのか?この辺りを基準に見積りを見る事が大事になります。
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