家を綺麗にしたい。家の壊れた所を直したい。もっと自宅を便利にしたい。
リフォームの依頼をするお客様の目的は人それぞれですが、リフォームをする時の第一歩は誰しも同じで「見積りを依頼する事」になります。
この見積りですが「高い」と感じる人も多いかと思います。
少しでも安くしたい気持ちは誰でも同じです。しかし安かろう悪かろうの仕事をされるのも大事な自宅のリフォームでは困りものです。
必要なお金は支払う必要がある物の必要の無いお金は支払いたくないのが人間の気持ちになります。
何の根拠も無しにただ単純に「安くならんの?」と値切り交渉をしても意味がありません。
かと言って理屈を並べても嫌な気持ちにさせてしまう事でしょう。
大事な事はリフォームの営業マンを味方につける事であり、営業マンに気持ちよく仕事をさせる事が大事になります。
そこで今回はリフォームの見積りは工程を知る事で値引きをする事が出来る事について解説していきます。
何故工程により値引きが出来るのか?
工程により値引きが可能になるのは工事が大きくなった場合に限られます。
トイレ1つを変えるような単発工事では工程で値引きをする事は出来ません。そもそも工程を組む必要がなく数時間で工事が終わる事になります。
工事が大きくなった時に工程による値引きが可能になります。
見積りについては以下のリンク先で見積りのカラクリを解説しています。
例えばシステムバスと洗面所のリフォームをする事を考えてみましょう。
この時の工事の内容が
- システムバス入替
- 洗面台入替
- 洗濯パン・洗濯水栓入替
- 洗面所の入り口に手摺設置
- 内装工事【クロス・クッションフロア】
このような工事であった場合最初に提示された見積りの内容次第では値引きが可能な場合があります。
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同時施工割引
リフォーム会社の中での会話の中では下請けに仕事をまわす時「同時施工だから金額を削れ」との会話を聞く事が頻繁にあります。
同時施工とは
1人の職人が同じ現場で複数の工事がある事になります。
この同時施工割引を職人に交渉するかしないかは営業によって変わります。営業の中には職人に交渉をしない営業もいてますし、職人に交渉はしないがお客様に還元をしない営業もいます。
内容によっては同時施工割引を交渉の上作成している見積りかもしれません。
同時施工割引を含んでいるのかどうかは見ればすぐにわかります。
このシステムバスと洗面所の工事に必要な職人は解体、大工、設備、電気、内装、ユニットの職人が必要になります。
システムバスはユニットの組付けを専門でやっている職人を想定しています。
この工事での同時施工は何か?
この工事での同時施工はどの職人のどんな仕事になるのでしょう?
全ての職人に共通するのが人工で来ているのか、受け取りできているのかになります。
施工会社によっては業種によって人工であるか、受け取りであるかが分かれている施工会社もあります。
解体
解体屋の仕事は既存のお風呂を壊す事になります。
そして解体屋は洗面台も取り外す事も出来ますので解体屋で洗面台を取り外した場合同時施工になります。
解体屋を人工で連れてきているのか施工の受け取りで連れてきているのかで変わりますが
人工で連れてきてる場合洗面台を外しても外さなくても職人の費用は変わりません。
受け取りできている場合は同時施工で割引交渉の対象になります。
大工
大工はシステムバスを組んだ時の風呂枠の取付工事と洗面所の入り口付近に取り付ける下地が無ければ下地工事が大工の仕事になります。
大工も人工か受け取りかで変わりますが
風呂枠と手摺の下地が同時施工割引になります。
設備
設備はシステムバスの仕込み工事と洗面台の入替と洗濯パン・洗濯水栓の入替が同時施工になります。
この工事の中では一番同時施工が多い業種になります。
一番同時施工が多いので設備が受け取りできていた場合、一番値引きが可能な業種になります。
電気、内装、システムバス組付け
この3業種はこの工事では同時施工はありません。
なので人工で来ていても受け取りできていても割引の対象にはなりません。
工程をシミュレーションします
この工事を前提に工程を立てていきます。工程の作成は担当営業の腕の見せ所でもあります。
工事をスムーズに進める事が出来るのかどうかは工程で決まると言っても過言ではありません。
この工事を完工させるのに必要な日数は何日でしょうか?
担当営業によって日数は変わるのですがシステムバスからの入替であれば4日あれば終わります。在来のお風呂であれば5日で終わります。
知識のある人のユニット屋で解体~枠仕舞いまでやったらもっとはやいよ!ってのは無しでお願いします。あくまでも解体、大工、設備、電気、ユニット屋、内装、で工事を進める前提にしています。
ではシステムバス→システムバスで4日で終わらせる工程を考えてみましょう。
1日目解体、設備、電気、墨だし
工事初日に既存のシステムバスを解体します。
システムバスの解体であれば午前中で解体工事は終了する事になります。お客様の了解を得る事が出来ればこのタイミングで洗面台を外す事もできます。
ここでは洗面台は外さない前提にします。
解体が終わった後に、システムバスを組むための墨を出した貰う事になります。
リフォーム会社によっては墨出しをしないリフォーム会社もあります。
そして昼以降に設備と電気の仕込み工事をして初日終了になります。
2日目システムバス組付け
2日目はシステムバスの組付け工事になります。
朝からシステムバスを搬入して夕方には組付けが終わるでしょう。
窓の有無、浴乾の有無、システムバスの大きさ等、様々な条件により施工時間は変わりますが夕方には余程の事がない限り施工は終了します。
設備と電気のつなぎが出来る組付け業者であればこの段階で水道も電気も繋がっています。
つなぎができない業者の場合は設備は最終日に、電気は最終日までに来てもらう事になります。
電気は資格がないと触れませんので、組付けに来る職人に左右されます。
この日はお風呂に入る事は出来ません。
3日目枠仕舞い、手摺下地
3日目は大工工事になります。
お風呂に枠を入れる工事になり、枠仕舞いも条件により施工時間は変わりますがお昼過ぎ~15時には施工が終わる事になります。
枠仕舞いが終わった後に手摺の下地を入れて貰う事になります。
4日目洗面台、洗濯パン・洗濯給水、内装工事
この工事の中で一番大変な日はこの日になる事が多いです。
朝に設備に洗面台と洗濯パンを外して貰います。時間にして1時間程度必要になります。
その後内装にクロス・クッションフロアの施工になります。
そしてはやくて14時遅ければ15時頃に内装工事が終わり、そこから設備に洗面台、洗濯パン・洗濯水栓を取り付けてもらう事になります。
終了時間が17時の時もありますが18時までかかる事もあります。
この工程で進めば同時施工値引きが可能です
以上の工程で工事を進める事ができれば同時施工値引きは可能です。
設備が一番値引きしやすい業種になるでしょう。
組付け業者が電気を繫げれなかった場合電気には「ごめんなさい」の気持ちです。
同時施工値引きが出来るかを見積りで見分けるには?
同時施工値引きを見積りで見分けるためにはどうすればいいのでしょうか?
実際にこの契約内容の工事で来る職人を工程に当てはめる事で判断をする事が出来ます。
例えば大工は人工で呼んでいるリフォーム会社が多いのですが、枠仕舞いで1日、手摺の下地で1日や半日の施工費が見積りに入っている場合、お客様側は値引き交渉のチャンスになります。
工程で枠仕舞いと下地工事が別日に分かれている場合、何故分かれているのか確認するようにしましょう。1日で対応できるのであればその分費用を抑える事が出来ます。
解体が人工で来ている場合、解体で洗面台を外せば、設備には洗面台を外す費用を安くして貰う事もできます。
リフォーム会社により職人の立場は変わりますが、出来る営業の場合お客様が工程の融通を聞く事により値引きをする事が可能になります。
見積りと工程を見比べる事で値引き可能かがわかる
同時施工値引きが可能かを考える上では「見積り」「工程」この二つがあれば十分です。
見積り提出の時には見積りしか持ってこない営業マンが多いです。
現場調査に来てもらった時に見積りを持ってきてもらう時に工程表も添付をお願いし、工程表も持ってきてもらう事により値引きが可能かを判断する材料が揃います。
営業マンがもしも「必要ですか?」のような事を言ってきた場合は「どんな工程を前提にした見積りかを知りたい」とでも言っておけばいいでしょう。
専門的過ぎて言いにくいな?と感じるのであれば「工事の時の生活を想像したから」とか「準備がしたいから」とでも言っておけば大丈夫です。
工程で見積りは変わります
ここまでの内容を読んで頂いた人には伝わっていると思いますが
見積りは工程によって変わります。大きな工事になればなるほど値引きできる金額も大きくなります。
1つ1つの工事を順番に終わらせていくより同時進行で進める方が段取りよく進み、その分費用も安くなります。
余談ですが現場調査の際実際に営業マンと会話する事になりますが「見積りは工程によって変わる」事を念頭に置いておいて下さい。
素人営業マンとプロの営業マンを見分けるポイントになります。
素人営業マンでリフォームをすれば契約金額が大きくなる可能性や工事がスムーズに進まない可能性が高くなります。
どのような工程を前提に見積りを作るのか?により金額が変わる事を知っておいて下さい。
同時施工値引きの交渉術
同時施工値引きが出来る事はわかった。
そして見積りと工程表で同時施工割引が出来る余地がある事もわかった。
ここからが本質値引き交渉になります。
値引き交渉の前に少し余談になりますが、僕の見積りの提出の仕方をお話しします。
僕の場合最初の見積りは全ての内容を含んだ見積りを作成します。同時施工があったとしても値引きを踏まえずに見積りを作るようにしています。
これは全ての工事をしなかった時の為の対策になります。
リフォームを希望するお客様の中には、金額を見て予算を考え優先順位の高い物だけを契約するお客様がいます。
そのようなお客様に現調の際、工事をする内容を聞いて同時施工を前提に見積りを作成していた場合、この工事を省くのであればこの工事に〇〇円の施工費が追加で必要になります。と伝えなくてはいけません。
後出しじゃんけんのような事になってしまいます。
ですので見積りを提出する際にこの全ての工事をして頂けるのであれば同時施工値引きが可能である旨を伝えるようにしています。
ただし「工程を任せてもらう」事を条件にします。
工程を任せてもらう事が出来れば同時施工値引きを使う事が出来ますが、しかし思っているような工程をお客様都合で組めなかった場合は必要な原価も増える事になるので利益を落としてしまう事になります。
工程により必要な原価が変わる事を覚えておいて下さい。
人間誰しも追加よりも値引きの方が気持ちがいいので、最初は全て含んだ見積りを作成し工事を段取りよく進める事ができそうな環境であれば、その工程に応じて工程を組みなおし見積りを作り直す事をしています。
このように最初から値引きの話しをしてくれていると値引き交渉も切り出しやすいのですが、そうではない場合がほとんどです。
最初の見積りの段階で値引き可能かを聞いてみる
最初の見積りを受け取る時に「工程は全てお任せしますが値引きは可能ですか?」「工程に出来るだけ協力しますが値引きは可能ですか?」と聞いてみるようにして下さい。
値引きを望んでいるのであれば最初の段階で聞いてみて下さい。そしてあくまでも工事に協力をする姿勢を出して下さい。
協力の姿勢を感じるお客様に悪い印象を持つ営業マンはいません。
営業マンは契約を頂く事も大事ですが、契約を履行して完工させる事が目的です。
協力的にしてくれるお客様程ありがたい事はありません。
値引きに関しては後になればなる程聞きにくくなる人も多いと思います。
リフォーム会社をほぼ決めた後は聞きにくくなるのは当然です。
値引き交渉をした事で営業マンの印象が悪くなり、手抜き工事をされたらどうしよう。後回しにされたらどうしよう。
人によって様々ですが、心配ごとが増える人もいてます。
そのような心配事を感じない為にも早い段階で値引きの話しをしておく事がいいです。
相見積りを取っているのであれば、値引きの話しをした時の営業マンの対応もみる事が出来ます。
工程を提案してみる
ちょっと知識のありそうな値引きの方法として「工程を提案してみる」方法もあります。
これは上級テクニックになりますので難しいです。
見積りと工程を見て、その工程に本当にそのお金が必要なのか?を確認していくのですが、ここで大事な事はあくまでも「提案」であり「教える」事ではありません。
営業マンも人間です。気持ちを害してしまっては意味がありません。
大事な事は値引きを引き出す事ができるのか?になります。なんで「客の立場で気を使わないといけないんだ」なんて言わないで下さいね。
提案の形で値引きを聞いた時に即答で「無理です」と答える営業マンが担当であった場合、基本的にはそのリフォーム会社で工事をする事はやめた方が無難です。
ここで考える営業マンであれば見積りを見つめなおして、値引きを真剣に検討している可能性があります。何より考えている事があなたと向き合っているとも言えます。
即答している営業マンはあなたと真剣に向き合ってるようには感じませんよね?このような営業マンは工事の時にトラブルがあった時の対応も決していいとは言えません。
ただし「無理です」と即答した後に納得のいく説明をする営業マンの場合は逆に信頼がおける営業マンの可能性が高いです。
もしかすれば提案した工程が前提の見積りになってる場合がありますので「その内容は織り込んでましたか?」と聞いてみるのも1つの方法です。
工程表と見積りを見ての提案であれば織り込んでいるはずはありませんが万が一の可能性もあります。
工程を提案した時の営業マンの対応を見る事でその後の対応や営業マンの本質を知る事が出来ます。
現役リフォーム営業マンが選ぶお客様目線の頼れる一括見積サイトは何処?!
まとめ
ここまでの内容を一言でまとめると「見積り金額は工程によって変わる」という事です。
工程により見積り金額が変わるのであれば素人のような営業マンより経験豊富な営業マンの方が安くリフォームができる可能性が高くなります。
大事な家を任せる事になりますのでリフォーム工事をする時にはリフォーム会社もそうですが、信頼できる経験豊富な営業マンを選ぶ事を忘れてはいけません。
工程により見積りが変わるのはそこに「同時施工値引き」が発生するからに他なりません。
リフォームをする時は見積り金額だけに目が行きがちになりますが、工程にも目を向けるようにして下さい。
同業種の職人がするリフォームが多くなればなるほど値引きの金額も大きくなります。
以下の記事で予算100万円を超える概算見積りになってしまったので同時施工値引きの例を出し解説しています。
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